教師のための学校で使える発達心理学

しろ

こんにちは,しろです。

今日は,私が夏休みの半分をかけて学習した発達心理学の学習を

3分でわかるようにまとめました。

 

合わせて読みたい↓
【教師必見】学校で使える心理学7選

 

こんな人におすすめ
クラスに気になる子への支援を迷っている人
自分の教育を客観的にみたい人
夏休みにもう少し勉強しとけばよかったと後悔している人

 

 

この3分でちょっとだけ専門性の高い教諭になれます!!!

 

 

 

 

1年後に自分で見直したときに思い出せる内容を目指します。

※順番は現場での優先度を考えたものです。

 

ではいきまっしょ〜う!

・・

・・・えっと〜

そもそも

発達心理学ってなんやねん!!!!
ですよね。私もそうでした。

で検索してみると

受胎から死に至るまでの生体の心身の形態や機能の成長・変化の過程、これに伴う行動の進化や体制化の様相、変化を支配する機制や条件などを解明し、発達法則を樹立しようと目ざす心理学の一分科。

日本大百科全書

つまり,

人の一生の成長を科学的に分析した心理学

ということですね

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クラスの気になる子どもたち

LD(学習障害)

 

端的にいうと,勉強に困難を抱える児童のこと。

全般的な発達の遅れがあるわけではなく,「読む」「書く」「聞く」「話す」「計算する」「推論する」

という能力のうち特定の能力に著しい困難を持っている子

 

クラスのLD児童

聴覚認知に困難さ👂

・一生懸命聞いているのに理解できない
・聞き違いが多い
・複数の指示が理解できない

・聞き返しが多い

視覚認知に困難さ👁

・漢字を正確に書けない

・教科書の読み飛ばしが多い

・「ね」「れ」など似ている文字を間違える

空間認知に困難さ📦

・鏡文字をかく
・図形の学習が苦手
・迷子によくなる

・運動会のダンスについていけない

支援の方法

 

「やってるわ!」「知ってるわ!」

 

 

ですよね。

ここでみんなさんにわかって欲しいのが

その支援はどの認知を使ったものなのかということです。

それを意識して,支援ができるといいかと思います。

 

AD/HD(注意欠陥/多動性障害)

 

クラスのAD/HD児童

・手足をそわそわ動かす(多動性)

・イスをガタガタ動かす(多動性)

・キョロキョロする(多動性)

 

・静かに待っていられない(衝動性)

・順番を抜かしてしまう(衝動性)

 

・忘れ物が多い(不注意)

 

クラスにいる落ち着きのない児童はこの傾向が強いです。

子どもの7.8%がこれにあたると言われている。(1996年厚生省)
30人クラスを想定すると,2〜3人がそうということになりますね。
男女比で4:1の割合のようです。
原因としては,脳内神経伝達物質の分泌に問題があると言われています。

支援の方法

 

アスペルガー症候群

 

クラスのアスペルガー症候群の児童

・友だちができない

・場にそぐわない行動や発言をしてしまう。(感情面が多い)

・著しい言葉・知的遅れはない

・興味が限られている

・一定の音など感覚過敏

・運動が苦手で手先が不器用

アスペルガー症候群は簡単にいうと,

友だちの気持ちの理解に困難を抱える児童

発達障害の一つで自閉症の特徴もあわせ持ちます。

支援の方法

自閉症

 

 

クラスの自閉症の児童

・手をひらひらさせて走り回る

・自分でぐるぐる回る

・つま先だちする

・反復的な行動を好む(行ったり来たり)

・視線が合わない

・ごっこ遊びが苦手

・服や道順などのこだわりが強い

・マークを好む

・特徴的な話し方をする

1歳までの愛着行動の発現のとぼしさに始まる。

字のように自分を閉ざしたものではなく,脳の機能障害と考えられている。

①対人との関係の障害
②コミュニケーション能力の障害     を持つ児童
③行動のこだわり

支援の方法

年代別の発達

少し学問的になりますが,年代別の発達についてです。

胎児〜1歳ごろの子ども(胎児期〜乳児期)

 

さまざまな発達が急激に起こる時期。

発達の基本原理

①連続の過程
②頭から抹消部へ
③大きな部分から小さな部分へ(手→指)
④環境と相互に作用する
⑤さまざまな発達が相互関連している
⑥順序がある(ハイハイ→つかまり立ち→歩行)
⑦個人差がある
⑧周期性がある

赤ちゃんの個性


①扱いやすい子 (生活リズムが安定,環境への適合も高い) 
②気難しい子  (生活リズムが不安定,環境への適合も低い)
③出だしの遅い子(環境への適合は高い,活動性が低い)

 

感情が生まれる

ブリッジスの文化図式より(Bridges,1932)

生後は興奮という感情しかない赤ちゃんも1歳半には多くの感情を持つようになるようです。

話し言葉

話し言葉の発達は以下のような過程を通る。

愛着(ボウルビィ)

愛着とは「人が生まれてから数ヶ月の間に特定の人との間に結ぶ情愛的な絆(Bowlby,1969)」のこと。

幼い頃の愛着の形成が成人の愛着関係にまで影響すると言われています。

1歳ごろ〜5・6歳の子ども(幼児期)

 

小学校入学までの子どもの発達についてです。

イヤイヤ期

子どもは1歳から1歳半くらいになると鏡に映った自分を見分けることができるようになります。

チンパンジーや犬などとは違って,自分を認識するのです。

2〜3歳の子どもは何をしても嫌だと言いますよね・・・

全国の親はこの時期,手をこずらせます。

実はこれ,専門用語で「第一次反抗期」と呼ばれるものです。

この原因は「自分と他人を別の人間と自覚すること」によります。ママの「ご飯食べるよ」に「いや!!!」というのは,ママから自我が少しずつ独立している証拠でもあります。

「困った子だ!!」と思うのではなく「成長してるんだな」と見てあげられるといいですね。

相手の気持ちの理解はいつから?

子どもが相手の気持ちを理解できるようになるのは歳ごろだと言われています。

これも,きょうだいの数や,愛着の関係などさまざまな影響を受けるようです。

また,自閉症児童は極端に遅いとも言われています。

遊びの段階(ピアジェ)

子どもの遊びにも段階があります。

ピアジェが行った遊びの分類は以下の表のようになっています。

遊びの中で子供は社会性を身につけます。

大切にしたいですね。

子ども同士のケンカの解決の仕方

 

子供は3歳頃から友だちとケンカをするようになります。きっかけは「おもちゃを独り占めするなど」です。

 

 

5〜6歳になると,自分でこのケンカを解決しようとします。

解決の方法として倉持(1992)は以下の6つに分類しています。

①どちらが先に持っていたか

②独占しているか否か

③その行動への拒絶

④自分の主張

⑤先生の介入を求める

子どもはこの方法で解決をしようとします。

ケンカをすることで子どもたちは社会性や対人関係を身につけます。

時には見守り,仲介に入る際も子どものこの解決方法を参考にするとすんなりことが進むかもしれません。

6歳ごろ〜12歳の子供(児童期)

児童期は小学生と呼ばれる時期ですね。

親よりも仲間が重要な位置を占めるようになる時期でもあります。小学3,4年性になると,4〜5人の閉鎖的な集団(ギャンググループ)を作成し,他の友人を寄せ付けないようになります。この時期をギャングエイジということもあります。

小学校の先生をされている方はよく知っている光景かもしれませんね。

 

9歳の壁

小学校3〜4年生の頃になると急に算数などの勉強が難しくなり,できる子とそうでない子の差が大きくなってきます。

この勉学上の壁を9歳の壁と呼び,この壁を乗り越えられるかどうかが,この後の学習意欲や成績に大きく影響すると言われています。

使う数も,整数から少数や分数など抽象表現へと変わっていきますもんね。

道徳性の発達(道徳性発達理論,コールバーグ)

道徳性の発達についての理論は主に3人が提唱しています。フロイト・バンデューラ・コールバーグです。

ここではコールバーグの道徳性発達理論についてまとめます。

以下の問いについて子どもがどう反応するかで道徳性の発達を見ます。いわゆる検査的なものです。

自分の妻が病気のために死の淵に瀕していました。この病を治せる唯一の薬をある薬剤師が開発しました。

薬剤師はこの薬に200万円の値段をつけました。病気の妻を持つ夫は,お金を集めましたが100万円しかありません。

薬剤師にこの値段で売ってくれるように頼みましたが,答えはNOでした。

失望した夫は,薬剤師の店に盗みに入ってその薬を盗みました。


彼の行動は正しかったでしょうか?間違っているのでしょうか?
またそれはどのような理由からでしょうか。

子どもの答えで分類します。

この検査は男性的だとされていますが,この道徳性の検査には性差も大きな影響があると言われています。

環境が子どもへ与える影響(社会学習理論,バンデューラ)

簡潔にいうと環境がそのまま子どもへ大きな影響を与えます。

ヤンキー映画を見た後,ケンカをしてみたくなった経験ってありませんか?それが子どもの中で起こるというものです。

ケンカの場面を多くみた子どもは乱暴になる傾向があり

楽しい場面を多くみた子どもは友好的になります。

子どもにはモデル(大人)の行動を自発的にまねる特性があるということです。

先生の言動はもちろん,教室の環境もが大切だと言われる根拠はここにありますね。

知能(IQ)について

よくテレビなどでもIQって聞きますよね。ではIQとはなんなのでしょう。

IQとは知能指数のことでintelligence quotientの略です。

知能の定義は3つあります

①抽象的な思考力      (ターマン)

②学習する能力       (ディアボーン)

③新しい環境に適応する能力 (ウェスクラー)

計算としては   精神年齢÷生活年齢×100 で求めることができます。

 

今,日本で広く使われている知能検査は2つ

・田中ビネー知能検査Ⅴ

・WISCーⅢ

田中ビネー知能検査Ⅴは中難度の問題をどれだけ解くことができたかで知能指数を出す

WISC-Ⅲは言語理解・知覚統合・注意記憶・処理速度の4つの能力を検査しそこから結果を出す。

 

小学校だと後者の方が一般的ですかね?

ただし,注意すべきなのは,知能が高い学力が高い ということです。

知能には新しい環境への適応能力も含まれるためです。

 

子どもが学習意欲を出すには

全教員,全保護者の悩みですね。

こうすれば学習意欲高まります。なんてそんな簡単な方法はありません。

ただ,学習することの原理を知れば少しは,勉強に向かいやすくなるかも知れません。

学習の法則

・古典的条件付け(パブロフ)

 

・オペラント条件付け(スキナー)

古典的条件付け
ベルを鳴らしたのちにエサを犬に与え続けると,ベルが鳴るだけで唾液を犬が出したという実験を元にしたものです。
家に着いたら宿題をする。チャイムがなったら着席する。などはこれを元にしています。

 

オペラント条件付け
レバーを押せばエサが出る箱にネズミを入れたところ,偶然に始まり最後はお腹が空くとレバーを押すという実験結果によるものです。
ご褒美を与えて勉強させるというのはこれにあたりますね。

 

子どものやる気を高めるには

やる気(動機)には2種類あります。

・内発的動機づけ

 

・外発的動機づけ

言葉の通り,

子どもが自分の内側からやる気を出すのが内発的動機づけ

人に言われてやる気を出すのが外発的動機づけです。

目指すべきは内発的動機づけであることは一目瞭然です。

外発的動機づけ(ご褒美があるから勉強する。怒られるから勉強する。)だと間違いなく長続きしません。

内発的動機づけを起こすには目標を持たせること,できた自分を知ることなどが必要です。

とは言っても難しいのは身にしみてわかっています。

ピグマリオン効果(教師期待効果)

教育には
教師の期待がそのまま子どもの成長へ影響する効果があります。

つまり,

この子は優秀だと思い接しているうちにその方向へ成長を促してしまうというものです。

これは,そう思うことで教師が意図せずとも言動として現れ,それが子どもに影響するためです。

逆も然りです。

やはり,教師の影響力は計り知れませんね。

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いじめが起こる原因

許すことのできない問題です。

なぜいじめが起こるのか
いじめのメカニズムは以下の2つから説明できます。

・緊張理論

 

・統制理論

緊張理論とは
欲求不満やストレスを抱えるとそれを軽減するために攻撃を行うもの。

統制理論とは
自分の持っている情動を統制できなくなって攻撃を行うもの。

 

ここから考えるいじめを減らすためにできることは

・学習や運動などで満足させる。

 

・ルールや良心を育てる。

と思います。

おわりに

この記事はこの本を参考にしています。困ったときに何度も読み返せる本です。

 

 

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