しろ
今日は,自分が今年度実践して,よかったと思う説明文の授業づくりについて自分の記録も含めて書いていこうと思います。
私が一年研究したのが
対話で進める説明文の授業
です。
『対話・・・』
学習指導要領が変わってから,多くの場面でこの言葉が,使われていますね。
主体的で,対話的な,深い学びたらなんたら
この対話に焦点化して授業を進めるというのが今年の私の実践でした。
どうしたら,対話が生まれるのか????
結論:立場の取れる課題を設定する
立場の取れる課題を設定し,対話の司会をすること。これが私が1年間行った説明文の授業です。
学習指導要領の国語編にも次のように書かれています。
では順に書いていこうと思います。
実践のきっかけ
私がこの実践を始めようと決めたのは,自分のクラスの子どもにこう言われたからです。
「先生,国語の授業嫌い!!!」
いやあ,先生という仕事をしていて,これほどショックな言葉はありませんよね。
頭の中に真っ直ぐに入ってきてぐるぐる回るような感覚になりました。
恐る恐る,聞いてみたわけです。
「なんで?」
そしたらその子が
「答えが合っているかわからない」
確かに〜〜〜!!!!全力で納得しましたね。私も理系畑で育ってきたので,解答用紙を見たときに曖昧さの残る国語の記述問題なんかは苦手でした。
これまでもワークシートを使って空欄を埋めさせたり,表にまとめさせたり・・・そんな授業を行っていました。
実践結果(データから)
実践を行うにあたって主観で結果を述べても説得力に欠けるなと思い,調査をしました。
・国語(説明文)の授業は好きか
・テストの点数結果
これが全てではないですが,一つの判断材料としました。
説明文の学びの本質
話は少し飛んで,説明文を用いた国語の授業の本質とはなんだろう。
説明文を用いた読むことの授業のおもしろさって何か。
ここが明らかにできない以上,
さっきの子の「嫌い」を「好き」にはできないと思い考えました。
みなさんはどう思いますか?説明文の本質。
私が考えた説明文の本質は
『筆者と対話すること』
であると思います。
説明文は「筆者が自分の主張を伝えるための文章」であると考えています。
読者は筆者の考えを文章を通じて知ります。
しかし,筆者の考えをそのまま受け取るわけではなく,自分の既存の知識や,価値観で色付けし,再構築するわけです。
つまり,説明文を読む読者は文章を媒介として筆者の考えと自分の考えを照らし合わせ,対話しているのです。
筆者の言いたいことをまずは理解し,自分の考えを持つ。
さらには筆者が自分の主張につなげるためにどんな工夫をしたかを読者として読み取ることその方法についても評価を行うこと
児童がこの本質に触れたとき,おもしろい!!と思う。と考えました。
(難しい言葉たくさん使ってすみません汗)
対話成立の条件
対話が生まれるようにするには・・・
はじめに でも述べたように
立場の取れる課題
を設定することで対話は生まれます。
(2019年度の筑波大学附属小学校の研究でも発表されています。)
課題を「どちらが〜か(二者択一)」や「〜はいくつ?(数値化)」など立場が生まれる課題にすることで,
子ども同士の考えにズレができ,その考えのズレを埋めるために子どもたちは話したくなります。
対話が生まれる授業の例(課題例)
課題にはいくつかのパターンがあります。
・どちら(二者択一)
・どれ,どこ,一番〜(選択)
・いくつ(数値化)
5年生の説明文の授業を例にすると
深い対話にするために
うわべの対話にならないように話し方の指導も行いました。
意見,それを支える根拠その間に理由づけをさせました。
具体的には,
「私はAの立場(意見)です。教科書の〇〇ページに〜と書いてあって(根拠)それが筆者の主張と繋がるから(理由)です。」
のような形です。
児童が自分の意見を述べるとき,「私は~(立場)だと思います。教科書〇〇ページに(根拠)・・・と書いてあるからです。」と話すことが多いです。
これでは対話が成立しにくいですね。
なぜその文章を根拠としたのか理由付けをさせることで,他の児童への説得の工夫や,話し合いの深まりがあると考え実践しました。
まだまだ来年も研究していきます!!